はじめに
僕がアメリカ生活をしたのは、テキサス州ですが来日してから、日本人の使う英語がとても気になりました。
まず、発音が少しでも違っていると、「アメリカでも時々地域によってのアメリカ人でも通じませんけど。」どうしてアメリカ人には日本人の言っていることがわからないのだろう?と疑問に思うと同時に、くやしさと情けけなさでいっぱいになりました。
こうして、日本の中学校、高校で学んできた発音は、アメリカではまったく用をなさないという事実に初めて僕は気がついたのです。 自分の言っていることを理解してもらいたい、そして相手の言うことを理解したいーそんな一心で奮闘を続けるうちに、だんだんと英語にはあるけれども日本語にはない発音、また日本人が英語を話すときに陥る共通した問題点などがわかるようになってきました。
もちろん、そこまでになるには相当の年月がかかりました。
日本人の発音じゃ、アメリカ人にはどうしてもわかってもらえないんだよ、少し英語ができる人でも,「相手の言っていることは、だいたいわかるんだが、こちらの言うことを相手にわかってもらえなくてね」と言うのです。さらに、僕の目から見てもかなりの英文法の知識とボキャブラリーの持ち主だと思われる人でさえ、同様の告白をしていましたから、問題は明らかに彼らの発音にあったのです。それが証拠に彼らは、「紙に書いて見せたら、わかってもらえた」と言っているのです。また、数年前に日本に来たとき,僕は教鞭をとり気づいたのはやはり,生徒たちが英語を実際に口に出して発音してみることをたいへん苦手としているということでした。舌をどのように動かすのか、唇をどのょうな形にもっていくのかーこうした発音の基本となることがらを繰り返し尋ねられたものです。日本の大学入試では英語のスピーキングを課すところがほとんどない、ということもあるのでしょう。中学,高校、大学を通じて、学校教育では発音指導は軽視,または完全に無視されているのが現状です。大学入試に備えて勉強した結果、発音記号の区別はつくようになったけれど実際にどのように発音したらいいのかわからない,という人がおおぜいいるのです。正しい発音をしなければ、相手にはわかってもらえず,会話もスムーズに運びません。実際に海外または日本国内で自分の英語が思うように通じなかった経験をして,初めて発音の重要性を身に染みて感じるのです。自分のクラスそしてこのページも,これまで述べてきたような日本の多くの英語学習者の悩みを解決し,英語の正しい発音を身につける手引きとなるよう,願いを込めて書き上げました。まずはこのページを見て目から学んでください。次に解説で理解を深め,そして僕のレッスンか他先生で確かめていただければ,いっそう学習効果が上がるものと思われます。
このページ又教室でも一般米語を学ぶ理由
ご存じのように,ひとくちに英語といっても,話されている国または地域によって発音に違いがあります。このコースでは主として米国発音( American pronunciation )を示します。代表的な米国発音というのは,わかるように米国本土の北東部( New England )と南部地方( South )を除いた,広範囲の地域で使われている英語の発音を指します。この地域の英語はまた,一般米語( General American :略して GA )とも呼ばれています。なぜ-般米語を学ぶのかと思われるかもしれませんが,今日,政治・経済・マスコミなどの分野において最もよく使われている英語がこの一般米語だからなのです。